その他の中耳炎

<中耳炎にはどんなものがありますか?>

 代表的な急性中耳炎や滲出性中耳炎の他にも様々な中耳炎があり、それらは放置しておくと難聴やめまい、耳鳴りなどを引き起こします。場合によっては入院の上での手術が必要となる場合もあるため、軽視せずにしっかりと治療をうけるようにしてください。

<慢性中耳炎の症状と治療>

 慢性中耳炎(慢性穿孔性中耳炎)は本来穴が開いても閉じるはずの鼓膜が閉じないままに中耳での炎症が慢性化するものです。急性中耳炎が完全に治らないままに悪化したり、糖尿病などによって抵抗力が弱まり炎症が治まりにくくなったり、あるいはMRSAなどの耐性菌が影響している場合もあります。

 鼓膜には穴が開き、耳だれ(耳漏)が出て、難聴が起きます。また、悪化するとめまいや顔面神経麻痺などの原因ともなり、放置することは危険です。

 治療は抗生物質を内服していただいたり、定期的に耳の洗浄や点耳療法を行います。必要に応じて入院の上で手術をお勧めする場合もあります。

<真珠腫性中耳炎の症状と治療>

 真珠という綺麗な名前がついてはいますが、実は恐ろしい病気です。真珠腫と呼ばれる皮膚の塊がどんどんと大きくなって中耳の組織(骨を含む)を破壊してゆきます。症状として耳だれや難聴などの他にめまい、悪化すると髄膜炎や脳腫瘍など生命に関わる病気に発展する場合があります。

 原則として鼓室形成術と呼ばれる手術を行い、病変組織を取り除きます。(当院から関連病院をご紹介いたします。)

<癒着性中耳炎の症状と治療>

 急性中耳炎を繰り返したり、滲出性中耳炎を治らないまま放置していると、次第に鼓膜そのものが薄くなります。薄くなった鼓膜は弾力がなくなり、これが中耳の奥の粘膜に張り付いたようになる場合があり、これが癒着性中耳炎です。癒着性中耳炎では音を聞いてもその振動が内耳に伝わることなく強い難聴を引き起こします。

 治療法として、軽症であれば耳管通気などで悪化しないような治療を行いますが、難聴が強い場合や症状の悪化が懸念される場合には手術をお勧めしています。(その際は当院の提携病院をご紹介いたします。)